無人駅のこれからを考えるヒント 芸備線・志和口駅を住民拠点として活用

JR芸備線 志和口駅 JR西日本

地方のローカル線にある無人駅。
「ただ列車を待つだけの場所」と思われがちですが、そんな駅の姿を少し変える取り組みが、広島県の芸備線「志和口駅」で始まっています。

今回注目したいのは、駅を地域住民組織の活動拠点として活用しているという点。
無人駅のこれからを考えるうえで、ひとつのヒントになる事例かもしれません。

広島市安佐北区の無人駅、志和口駅が住民組織の拠点に

中国新聞ホームページ

静かになっていく無人駅という現実

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JR志和口駅(芸備線)

志和口駅は、広島市北部に位置する芸備線の駅です。
現在は無人駅となり、利用者数も決して多くはありません。

これは志和口駅に限った話ではなく、
人口減少やクルマ社会の進行によって、地方の無人駅では全国的に同じような状況が続いています。

「駅を残すか、残さないか」
そんな議論が先行しがちですが、志和口駅では少し違った考え方が選ばれました。


駅を“地域の場所”として使ってみる

志和口駅では、駅のスペースを住民組織の拠点として活用しています。
会合を開いたり、地域の話し合いをしたりと、駅が人の集まる場所になっているのです。

特別な改修をしたわけでも、大きな観光施設にしたわけでもありません。
それでも、駅に人の気配が生まれるだけで、空気はずいぶん変わります。

「駅に行けば誰かがいる」
そんな感覚があるだけで、駅はぐっと身近な存在になりますね。

従前から行われていた地元主体の活性化

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りょうま駅長(志和口駅)
  • 駅前にある「りょうま駅長記念館」は、以前この駅で“猫駅長りょうま”として愛されていた猫をきっかけに、住民の有志が運営・維持している場所です。
  • 駅がただの乗降ポイントでなく、“集いの場”や“交流の核”として機能することで、地域住民の絆を強めたり、沿線外からの訪問者を呼び込む工夫につながっています。
  • 愛される理由の一つは、猫駅長に象徴されるように 地域のストーリー性や個性を大切にする運営 だからこそ、住民やファンが“自分ごと”として関わっている点です。

こうした取り組みは、単に駅舎をイベントスペースにしたりするだけでなく、
地域コミュニティの結びつきを強め、地域外から人を連れてくる拠点にする という意味で
「無人駅の新しいあり方」として注目されています。


芸備線と地域の関係を考えるきっかけに

芸備線は、これまでにも将来をめぐってさまざまな話題が出てきました。
輸送密度や経営の厳しさといった数字が注目されることも多い路線です。

ただ、志和口駅の取り組みを見ていると、
「路線をどうするか」だけでなく
「地域が鉄道とどう付き合っていくか」
という視点も大切なのだと感じさせられます。

鉄道会社だけが背負うのではなく、
地域が少し関わり方を変えることで、駅の役割はまだ広げられるのかもしれません。


無人駅は、まだ役目を終えていない

無人駅という言葉から、
「使われなくなった場所」という印象を持つ人もいるかもしれません。

でも実際は、
人が常駐していないだけで、
使い方次第で、まだまだ役割を持てる場所でもあります。

志和口駅のように、
・地域の人が集まり
・日常の中で使われ
・少しずつ駅に物語が生まれる

そんな駅が増えていけば、無人駅の見え方も変わってきそうです。


芸備線(三次駅~広島駅)では、三次市・安芸高田市・広島市とJR西日本で利便性の向上を図り利用者の増加のための方法を検討しています。

まとめ

志和口駅で始まったこの取り組みは、とても控えめで、派手さはありません。
けれどその分、ほかの無人駅でも真似しやすい、現実的な方法に感じます。

駅は「移動のためだけの場所」から、
「地域の人が立ち寄る場所」へ。

芸備線の志和口駅は、
無人駅のこれからを静かに教えてくれているようです。

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