国土交通省中国運輸局は、利用低迷が続く 芸備線 新見駅~備後庄原駅間について、2026年7月から9月にかけて土曜・休日限定で実施される「バスによる実証実験」の具体的なダイヤを発表しました。
今回の実証実験は、芸備線再構築協議会で議論されている「将来の地域交通のあり方」を見据えたもので、鉄道の代替手段としてのバスの利便性・実用性を検証する目的があります。
これまで概要のみが示されていましたが、ついに「何時に、どこからどこまで走るのか」が明らかになり、より現実味を帯びてきました。
平日の実証実験についてはこちらをご覧ください。
芸備線再構築協議会 実証事業B
国土交通省ホームページ
休日の観光利用向けバスの実証運行について
実証実験の概要
- 運行日:2026年7月~9月
- 7月4日(土)・5日(日)・11日(土)・12日(日)・18日(土)・19日(日)・20日(月・祝)・25日(土)・26日(日)
- 8月1日(土)・2日(日)・8日(土)・9日(日)・11日(火・祝)・15日(土)・16日(日)・22日(土)・23日(日)・29日(土)・30日(日)
- 9月5日(土)・6日(日)・12日(土)・13日(日)・19日(土)・20日(日)・21日(月・祝)・22日(火・祝)・23日(水・祝)・26日(土)・27日(日)
- 対象区間:
- 新見駅~備後落合周辺
- 備後庄原駅~備後落合周辺
- 運行形態:観光・移動の両面を意識した路線バス
- 主催:国土交通省 中国運輸局
ダイヤの特徴|「鉄道の代わり」ではなく「観光も意識」
今回発表されたダイヤを見ると、単なる鉄道代替輸送ではなく、沿線の観光資源を意識した設定になっている(各バス停で5分から10分停車)のが分かります。
新見駅~備後落合駅
| 新見駅 | 10:25 | 伯備線 岡山9:13発「やくも5号」(新見10:18着)から接続 |
| 親子孫水車前 | 10:47 | |
| 道の駅鯉が窪前 | 11:10 | |
| 野馳駅前 | 11:20 | |
| 道の駅遊YOUさろん東城 | 11:38 | |
| 東城駅前 | 11:48 | |
| 小奴可駅前 | 12:12 | |
| グリーンフィールド西城 | 12:23 | |
| 備後落合駅前 | 12:26 | 実証バス12:49発備後庄原駅行へ接続 芸備線 備後落合駅14:40発三次行きへ接続 |
| 備後落合駅前 | 13:05 | 実証バス12:14着から接続 |
| グリーンフィールド西城 | 13:09 | |
| 小奴可駅前 | 13:24 | |
| 東城駅前 | 13:48 | |
| 道の駅遊YOUさろん東城 | 14:03 | |
| 野馳駅前 | 14:16 | |
| 道の駅鯉が窪前 | 14:31 | |
| 親子孫水車前 | 14:49 | |
| 新見駅 | 15:06 | 伯備線 播州赤穂駅行(15:35発 岡山17:19着) ・やくも20号岡山駅行(15:46発 岡山16:47着)に接続 |
- 午前中に新見駅を出発
- 道の駅や集落付近を経由しながら備後落合方面へ
- 移動時間は鉄道より長いものの、途中下車や立ち寄りを想定
庄原方面からの便
| 備後庄原駅 | 11:30 | 芸備線「庄原ライナー」広島9:07発→備後庄原11:07着に接続 |
| 備後西城駅前 | 11:58 | |
| 備後落合駅前 | 12:14 | 実証バス13:05発へ接続 |
| グリーンフィールド西城 | 12:17 |
| グリーンフィールド西城 | 12:45 | |
| 備後落合駅前 | 12:49 | 実証バス12:26着から接続 |
| 備後西城駅前 | 13:09 | |
| 備後庄原駅 | 13:32 | 芸備線 15:28発三次駅行へ接続 |
- 備後庄原駅を起点に西城・備後落合方面へ
- 観光施設での滞在時間を確保
- 午後には庄原方面へ戻れるダイヤ
いずれも1日1往復で、日常の通勤・通学というよりは
- 「週末の移動」
- 「観光を兼ねた利用」
を強く意識した内容です。
今年も、芸備線の「庄原ライナー」が7月~9月の土・日・休日に運転されます。
芸備線との関係はどうなる?
注目したいのは、
「芸備線のきっぷ・定期券でも、この実証バスに乗車できる」
という点です。
これは単なるバス路線新設ではなく、
芸備線と一体となった社会実験であることを示しています。
- 鉄道とバス、どちらが使いやすいか
- 移動時間・運賃・乗り換えのしやすさ
- 観光客・地元利用者の反応
これらを比較・検証したうえで、将来的に
- 鉄道存続
- バス転換
- 鉄道+バス併用
といった方向性を探る材料にする狙いがあると考えられます。
鉄道ブログ岡山からの視点
今回のダイヤ発表で感じたのは、
「完全な代替」ではなく、まずはソフトな比較実験」という印象です。
- 本数は少ない
- 平日は対象外
- 観光色が強い
つまり、いきなり芸備線を置き換えるのではなく、
“バスだと、ここまでできる”という実績作りの段階とも言えそうです。
一方で、
「鉄道と比べて本当に便利なのか?」
「地元の日常利用に耐えられるのか?」
という疑問も残ります。
この夏、実際にどれだけの利用があるのか。
そしてその結果が、芸備線の将来にどう反映されるのか。
鉄道ファンとしても、地域交通を考える上でも、目が離せない実証実験になりそうです。
まとめ
- 芸備線 新見~備後庄原間で土休日バス実証実験
- 7~9月限定、具体的なダイヤが公表
- 観光を意識したゆったりダイヤ
- 芸備線の将来を占う重要な社会実験
この夏の動きは、芸備線の今後を考える上で一つの分岐点になるかもしれません。



