岡山県倉敷市と香川県直島町は、児島と直島を結ぶ新たな航路の整備に向けて共同宣言を取りまとめました。
2028年4月からの本格運用を目指しており、2028年に開催される瀬戸内国際芸術祭を見据えた取り組みとなります。
倉敷市ホームページ
児島観光港と直島・宮浦港を結ぶ新航路
alt="児島観光船乗り場" class="wp-image-19202"/>今回の共同宣言は、2026年10月26日に行われた倉敷市の伊東香織市長と直島町の小林眞一町長による会談を受けて取りまとめられました。
倉敷市と直島町には、江戸時代に倉敷代官所を通じた歴史的なつながりがあり、現在も高梁川水系の水を直島に供給するなど、深い関係があります。
新航路は倉敷市の児島観光港と直島の宮浦港を結ぶ計画です。
2027年度に試験運航を行い、2028年4月からの本格運用を目指しています。
報道によると、所要時間は約30~45分を見込んでいます。
直島へのアクセスに新たな選択肢
alt="岡山・宇野港フェリー乗り場(直島行き)" class="wp-image-19200"/>現在、直島への主な玄関口となっているのは、岡山県玉野市の宇野港と香川県高松市の高松港です。
特に宇野港からはフェリーや旅客船が運航されており、直島観光の重要な拠点となっています。
今回の児島~直島航路が実現すれば、岡山県内から直島へ向かう新たなルートが誕生します。
児島駅はJR瀬戸大橋線の駅であり、岡山方面から鉄道でアクセスできることも特徴です。
一方、宇野港にはJR宇野線が乗り入れており、岡山駅から鉄道で直島を目指す場合には、これまで通り宇野経由も重要な選択肢となります。
岡山からの陸路のアクセスは児島が有利
児島~直島間の新航路は、既存の宇野~直島航路と競合する面もあります。
ただし、岡山駅からのアクセスを比較すると、児島方面には快速マリンライナーが日中おおむね30分間隔で運転されている一方、宇野方面は宇野線(茶屋町駅で乗り換えが必要)と両備バス(直通)がそれぞれ1時間に1本程度の設定です。所要時間でも児島までは約30分、宇野まではJRが約50分、両備バスが約1時間となっており児島の方が有利です。
港までのアクセスについては、どちらも駅から5分程度ですので利便性の面ではほぼ同じ条件です。
宇野港からの航路と同じ運航本数(宇野港~宮浦港:フェリー13往復・旅客船3往復)を確保するのは難しいかもしれませんが、観光需要に合わせた運航ダイヤを設定できれば、児島発着の航路にも利用者を獲得する余地はあるのではないでしょうか。
一方、既存の直島への玄関口となっている宇野港についても、岡山駅からのアクセス改善が課題となります。宇野線では前回の2025年の瀬戸内国際芸術祭に合わせた臨時列車の運行など、利便性向上に向けた動きもありました。
玉野・児島・直島を巡る周遊観光がカギか
alt="直島のベネッセアートサイト" class="wp-image-19198"/>今回の新航路で期待したいのは、児島と直島の単純な往復だけではなく、瀬戸内海を挟んだ広域観光への発展です。
例えば、岡山駅からJR瀬戸大橋線で児島駅へ向かい、児島観光港から直島へ渡るルートが考えられます。
児島ではジーンズや瀬戸大橋、鷲羽山などの観光資源があり、直島では現代アートを楽しむことができます。
さらに、玉野市の宇野港周辺にも観光スポットがあり、直島へのアクセス拠点としてだけではない楽しみ方があります。
児島から直島へ渡り、宇野港へ戻る、あるいはその逆のルートを設定できれば、瀬戸内海を巡る周遊観光の可能性も広がります。
ただし、実際にこうした周遊ルートを利用しやすくするためには、船の運航時刻やJR線との接続、観光施設へのアクセスなどを考慮する必要があります。
利用客を促進するために、岡山→宇野→直島→児島→岡山、もしくは逆の岡山→児島→直島→宇野→岡山のルートで使用できる割引きっぷの設定も有効ではないかと思います。
2028年の瀬戸内国際芸術祭に向けて
2028年は瀬戸内国際芸術祭の開催年でもあります。
直島を訪れる観光客にとって、アクセス方法が増えることは歓迎されるでしょう。
一方で、既存の宇野港発着の航路との役割分担や、児島側での観光需要の創出も重要になります。
新航路を単に直島へ渡るための交通手段として整備するだけでなく、児島・玉野・直島を一体的に楽しめる観光ルートへと発展させられるか注目したいところです。
今後発表される運航本数や運賃、運航事業者などの詳細にも注目です。


