※アイキャッチの写真は、秩父鉄道の「C58 363 パレオエクスプレス」です。
高知県立交通安全こどもセンターに保存されている蒸気機関車「C58 335」の修復プロジェクトで、クラウドファンディングの目標金額が達成されました。
C58 335は、かつて土讃線を走っていた蒸気機関車です。さらに、昭和25年には昭和天皇の高知県行幸に伴うお召列車を牽引した機関車と報道され、注目を集めました。
長年にわたって子どもたちに親しまれてきた一方、経年劣化によって現在は立ち入り禁止となっています。今回のプロジェクトでは、車体の錆止めや塗装などを行い、今後も保存していくことを目指しています。
高知県立交通安全こどもセンターC58型蒸気機関車修復プロジェクト(寄附受付期間は9/23まで)
高知県ホームページ
C58 335は昭和18年から土讃線を走行
高知県立交通安全こどもセンターに展示されているC58型蒸気機関車は、昭和18年4月から昭和43年7月まで土讃線を走っていました。
土讃線は、香川県の多度津駅から南下して高知県の高知駅を通り予土線・土佐くろしお鉄道中村線・宿毛線に接続する窪川駅までの路線です。
現在はJR四国の特急「南風」や「しまんと」などが走る路線ですが、かつては蒸気機関車が旅客列車や貨物列車を牽引していました。
その時代に土讃線で活躍したC58型蒸気機関車が、現在も高知市内に残されていることになります。
C58 335は昭和45年5月の交通安全こどもセンター開園時に、日本国有鉄道四国支社から提供されました。
以来、交通安全こどもセンターのシンボルとして、長年にわたって子どもたちに親しまれてきました。
C58形蒸気機関車はどこで走っている?
今回紹介した「C58 335」は静体保存されている蒸気機関車ですが、国内には現在も現役で活躍している機関車もあります。
秩父鉄道ではC58 363が「SLパレオエクスプレス」として週末を中心に熊谷駅~三峰口の間で営業運転を行っています。
また、観光用の列車として秩父鉄道で様々な企画列車としても走行しています。
9月26日・27日は行田市との共同企画として「SL日本遺産のまち行田号」として熊谷駅~行田市駅間で運行されます。
さらにJR東日本も、C58 239を活用した新たな観光列車を2029年春以降に運行する構想を発表しています。運行区間は東北本線の盛岡~一ノ関間が予定されています。
昭和25年にはお召列車を牽引
C58 335について、鉄道ファンとして特に気になるのが、お召列車を牽引したという経歴です。
高知県によると、2024年7月に高知県内の放送局が、昭和25年3月に昭和天皇が高知県を行幸された際、土讃線の影野駅から高知駅まで乗車したお召列車をC58型蒸気機関車が牽引したと報道し、話題になりました。
影野駅は現在の高知県四万十町にある駅です。
つまり、現在は高知市内の交通安全こどもセンターで保存されているC58 335は、現役時代に土讃線を走り、昭和25年にはお召列車を牽引したとされる歴史的な機関車です。
土讃線を走っていた蒸気機関車が、現役時代の歴史を伝える形で現在も残っているというのは、鉄道ファンにとっても興味深い存在ではないでしょうか。
長年の屋外展示で劣化が進む
C58 335は、これまで単なる展示物というよりも、交通安全こどもセンターで子どもたちが触れて遊べる遊具として使用されてきました。
しかし、長年にわたって屋外で展示されてきたことから、風雨による損傷や経年劣化が進んでいます。
令和7年度に実施した安全点検では危険箇所が多数見つかり、現在は機関車の周囲に仮設フェンスが設置され、立ち入り禁止となっています。
今回のプロジェクトでは、令和8年度に車体上部以外の危険箇所について撤去や取り替え、補強などを行うほか、車体全面の錆止めと塗装を実施する計画です。
長く保存されてきた蒸気機関車だけに、今後も安全な状態で展示を続けるためには、こうした修繕が必要になります。
クラウドファンディングは目標額を達成
このC58型蒸気機関車の修復費用の一部を集めるため、高知県では「高知県立交通安全こどもセンター C58型蒸気機関車修復プロジェクト」を実施しています。
目標金額は183万7000円。
2026年6月26日に募集が始まり、9月23日までの90日間にわたって寄附を受け付けています。
そして9月10日現在、寄附金額は202万0000円となり、目標金額を18万3000円上回りました。
達成率は109.9%、支援人数は77人となっています。
目標金額を達成したことで、C58 335の修復に向けた取り組みが一歩前進したことになります。
目標達成後も9月23日まで受付
今回のクラウドファンディングは、目標金額を達成した後も9月23日まで寄附を受け付けます。
寄附金は、C58蒸気機関車の修繕の一部となる錆止めや塗装などに使用されます。
また、目標金額を上回った場合には、寄附額に応じて蒸気機関車の修繕や周辺整備、交通安全こどもセンターの施設整備などに活用される予定です。
そのため、目標額に達したからといって募集が終了するわけではありません。
C58 335の保存を応援したい人は、9月23日まで引き続き寄附することができます。
まとめ 土讃線を走ったC58 335のこれからに注目
現在のC58 335は、現役時代のように土讃線を走ることはありません。
しかし、昭和18年から昭和43年まで土讃線を走り、昭和25年にはお召列車を牽引したとされる機関車が、半世紀以上にわたって高知の子どもたちに親しまれてきたという歴史は、これからも伝えていきたいものです。
今回の修復によってC58 335が再び安全な状態となり、交通安全こどもセンターを訪れる子どもたちや鉄道ファンが、その姿を見られるようになることを期待したいところです。
クラウドファンディングの募集期間は2026年9月23日まで。
目標額はすでに達成していますが、土讃線の歴史を伝える貴重な蒸気機関車を後世に残す取り組みは、もう少し続きます。
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