再び富山地方鉄道でJR車両が走る JR東海から2026年春に引退した213系5000番台を購入 

関西本線213系普通列車 富山地方鉄道

富山地方鉄道が、JR東海で2026年春まで使用されていた213系5000番台を購入することが明らかになりました。

運行開始は、2026年度中となっています(1編成のみ)。

購入するのは2両編成4編成、合わせて8両ですが、営業用としては3編成6両が使用されます。

2026年10月に富山へ搬入し、富山市稲荷町の車両工場で富山地方鉄道向けの改造を行う予定とされています。

JR東海の213系5000番台は、国鉄時代に設計された213系をベースにした車両で、1989年に関西本線向けとして登場。その後は飯田線を中心に活躍していました。

JR東海では2026年3月に運用を終了しています。

新たな“魔改造” 富山地方鉄道がJR東海から中古車両を購入 地鉄で運行へ

北日本放送ホームページ

(2026年9月25日追記)富山地方鉄道から213系の導入についてプレスリリースが出ました。運行開始は2026年度から(1編成のみ)です。導入されるのは8両ですが、営業用車両は6両(3編成)となります。また、トイレについては富山地方鉄道でも使用できるとのことです。

車両の導入について

富山地方鉄道ホームページ

JR東海の213系5000番台が富山地方鉄道へ

今回、富山地方鉄道が購入する213系5000番台は、1989年に製造されたステンレス車両です。

2両編成で、片側の側面に客用ドアが2か所設けられ、セミクロスシートを備えています。

JR東海では関西本線や飯田線で使用され、飯田線ではローカル輸送を担ってきました。

2026年3月のダイヤ改正によりに213系5000番台は引退しました。当ブログでも引退発表時に記事にしています。

そして今回、そのうち4編成8両(営業用としては3編成6両)が富山地方鉄道へ譲渡されることになりました。

なお、岡山地区で岡山と高松の間で運行されている快速「マリンライナー」として使用されていた213系0番台は、2026年時点でも山陽本線・伯備線・赤穂線・瀬戸大橋線・宇野線の普通・快速列車として運行されています。

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瀬戸大橋線213系快速茶屋町行き

富山地方鉄道ではどのような車両になる?

富山地方鉄道では、今回購入する213系をそのままJR東海時代の姿で走らせるわけではありません。

2026年10月に富山へ搬入した後、稲荷町の車両工場で富山地方鉄道で運行するための改造を行う予定です。

富山地方鉄道には、これまでも他社から譲渡されたさまざまな車両が走っています。

現在の鉄道線では、元京阪電鉄3000形のモハ10030形、元西武鉄道5000形のモハ16010形・クハ110形などが活躍しています。

そこへ今度はJR東海の213系が加わることになります。

2扉・セミクロスシートという213系の特徴が、富山地方鉄道でどのように生かされるのかも気になるところです。

富山地方鉄道を走ったJRの車両

実は、富山地方鉄道線をJRの車両が走るのは今回が初めてではありません。

1991年からはJR西日本の485系が特急「スーパー雷鳥」として富山地方鉄道線へ乗り入れていました。その後、1995年からは681系も「スーパー雷鳥サンダーバード宇奈月」「スーパー雷鳥サンダーバード立山」などとして乗り入れています。

ただし、485系や681系はJR西日本の車両として富山地方鉄道へ乗り入れていたものです。

今回の213系5000番台は少し事情が異なります。

JR東海を2026年春に引退した213系を、富山地方鉄道が購入。改造を行ったうえで、富山地方鉄道の車両として使用することになります。

「JRの車両が富山地方鉄道を走る」という点では過去にも例がありますが、今回はJR東海から譲渡された車両が富山地方鉄道の仲間に加わるという点が大きな違いです。

なぜ213系5000番台だったのか

今回の導入で興味深いのは、富山地方鉄道が中古車両を導入する背景です。

富山地方鉄道は2026年6月に提出した有価証券報告書で、バリアフリー化を進めるため中古車両を導入する計画を示していました。

今回、4編成8両を購入し、改造して使用することになります。

新造車両を導入する場合と比べて、中古車両を活用することで車両調達の方法を広げることができます。

一方で、JRと富山地方鉄道では電気方式や保安装置、ホームとの関係などが異なるため、そのまま使用できるわけではありません。

実際にどのような改造が行われるのかは、今後注目したいところです。

JR東海時代に追加されたトイレはどうなる?

(2026年9月25日追記)洋式の多目的トイレ(明記はされていませんが現在のトイレが引き続き使用されると思われます。)が設置されると富山地方鉄道より発表されました。

設備面でもう一つ気になるのがトイレです。

213系5000番台は、JR東海が飯田線で使用するため、2011年にトイレを設置しています。

一方、富山地方鉄道の公式FAQを見ると、一般の電車にはトイレがなく、トイレが設置されている車両は「アルプスエキスプレス」「キャニオンエキスプレス」などの観光列車に限られています。

では、今回の213系ではどうなるのでしょうか。

トイレを残すのであれば、車両そのものだけでなく、清掃や汚物処理などを含めた維持管理の体制も必要になります。逆に撤去するのであれば、JR東海時代に飯田線向けとして追加された設備を取り外すことになります。

現時点では改造内容が明らかになっていませんが、213系のトイレをどう扱うのかも、富山地方鉄道仕様を考えるうえで気になるところです。

富山地方鉄道の鉄道線をめぐる動きにも注目

今回の213系導入は、車両ファンにとって興味深いニュースですが、富山地方鉄道全体を見ると、別の意味でも注目されるタイミングです。

富山地方鉄道では現在、鉄道線の再構築について、富山県や沿線自治体などと協議が進められています。

9月29日には「第3回富山地方鉄道鉄道線再構築検討会・第3回本線部会」が開催され、事業構造の変更や国庫補助事業費、費用負担などが議題となる予定です。

つまり今回の213系導入は、単純に「古い車両を新しい中古車両に置き換える」という話だけではありません。

富山地方鉄道が今後も鉄道線を維持していくためには、線路や電気設備などのインフラ、車両、運行体制などを長期的にどう維持していくのかが重要になります。

車両についても、今回の213系がどの路線・列車で使用されるのか、そして既存車両の置き換えがどのように進むのか、今後の発表を確認したいところです。

まとめ JR東海を引退した213系の「第二の人生」

2026年春にJR東海を引退した213系5000番台。

一時はこのまま廃車になる車両もあるのではないかと思われましたが、富山地方鉄道で新たな活躍の場を得ることになりました。

JR東海では213系の引退に合わせて「ありがとう213系5000番台」と題した企画も実施され、長年活躍してきた車両の引退が記念されました。

その車両の一部が、今度は富山地方鉄道の車両として走ることになります。

JRから私鉄へ。

そして富山地方鉄道では、元京阪・元西武・元東急などに続いて、JR東海の車両も加わることになります。

今後、213系5000番台がどのような姿に変わり、どの路線を走ることになるのか、富山への搬入と改造の動きを追っていきたいと思います。

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