富山県西部を走るローカル線、城端線と氷見線が、いよいよ大きな転換点を迎えます。
現在は JR西日本 が運行しているこの2路線について、2029年をめどに「あいの風とやま鉄道」へ経営移管する方針が表明されました。
注目すべきは、単なる“運営会社の変更”ではありません。
移管を前提に「大幅な増便」を行うという、これまでのローカル線再編ではあまり見られなかった、攻めの内容が示された点です。
2029年あいの風鉄道に移管の城端線・氷見線 運行本数”大幅増” へ パターンダイヤ導入も|FNNプライムオンライン
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増便で「使えるローカル線」へ
今回示された案では、城端線・氷見線ともに1日の運行本数を大きく増やす方向とされています。
- 城端線:現在より大幅増便(42本→60本)
- 氷見線:昼間時間帯を中心に本数増(36本→58本)
特に注目したいのが、
日中時間帯に30分間隔のパターンダイヤ導入を目指すという点。
ローカル線でありがちな
「次の列車まで1時間以上待ち」
という状況が改善されれば、
・通院
・買い物
・高校生の移動
といった“日常利用”のハードルは確実に下がります。
高岡駅での乗り換え改善もカギ
城端線と氷見線は、どちらも高岡駅が起点。
しかし現状では、線同士の乗り換えがスムーズとは言えないダイヤになっています。
今回の構想では、
高岡駅での乗り換え時間短縮(26分程度→15分程度)
ダイヤの連動強化
も検討されており、将来的には「1つの路線網」として使いやすくなる可能性があります。
このあたりは、第三セクターである あいの風とやま鉄道 が得意とする分野でもあり、期待したいポイントです。
なぜJR西日本は手放すのか
もちろん、背景には厳しい現実があります。
城端線・氷見線はいずれも
- 北陸新幹線開業で北陸本線との接続が無くなり飛び地となっている
- 非電化
- 単線
- 輸送密度は低下傾向
と、JRにとっては採算性の厳しい路線です。
全国的に見ても、大手JRがローカル線を単独で維持し続けるのは、もはや限界に近づいています。
そこで活用されるのが、
国の「鉄道事業再構築」スキーム。
JRが引き続き抱え込むのではなく、
自治体が主体となり、国の支援を受けながら再設計するという流れです。
「第三セクター=縮小」ではない好例になるか
これまでのイメージでは、
「第三セクター化=本数削減」
というケースも少なくありませんでした。
しかし今回は逆。
第三セクター化をきっかけに増便するという、非常に珍しい展開です。
これは、
・沿線自治体が“使わせる覚悟”を持っている
・維持だけでなく「活性化」を目指している
という意思表示とも言えます。
全国のローカル線にとっての試金石
城端線・氷見線の取り組みは、
今後、同じ悩みを抱える全国のローカル線にとって
ひとつのモデルケースになる可能性があります。
・JRからの移管
・国の支援
・自治体主導
・そして「増便」という選択
果たして、この決断は利用者増につながるのか。
そして“持続可能な地域鉄道”は実現できるのか。
2029年に向けて、
城端線・氷見線は、全国の鉄道関係者から注目される存在になりそうです。
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