首都圏の新たな鉄道延伸計画が、また一歩前に進みました。
多摩都市モノレールは、上北台駅~箱根ケ崎駅付近までの延伸区間について、国から軌道事業特許を取得したと発表しました。
これにより、長年構想段階にとどまっていた北側延伸計画が、いよいよ「実現に向けた事業」として本格的に動き出すことになります。
多摩モノレール延伸(上北台~箱根ケ崎)の
多摩モノレールホームページ
軌道事業特許を取得しました。
延伸区間は約7km、7駅を新設予定
alt="JR八高線 箱根ヶ崎駅" class="wp-image-8168"/>今回特許を取得したのは、現在の終点・上北台駅(東京都東大和市)から、JR八高線と接続する箱根ケ崎駅周辺(東京都瑞穂町)までの約7kmの区間。
この間に7駅程度の新駅が設けられる計画で、特に注目されるのが、これまで鉄道駅を持たなかった武蔵村山市を初めて鉄道が通るという点です。
「都内にありながら鉄道駅がない市」として知られてきた武蔵村山市にとって、この延伸はまさに悲願。
地域の交通環境を大きく変える転機となりそうです。
事業費は約1,290億円、東京都と事業者の役割分担で整備
延伸にかかる総事業費は約1,290億円。
モノレールの支柱や軌道桁、駅舎といったインフラ部分は東京都が整備し、車両や電気設備、改札機などの運行に必要な設備は多摩都市モノレールが担当する形となります。
いわゆる「上下分離」に近いスキームで、地方鉄道や新交通システムでは近年よく見られる方式です。
事業リスクを分担しながら、公共交通を維持・発展させていく流れが、ここでも採られています。
開業は2030年代半ばを予定
現時点での開業目標は2030年代半ば。
すでに特許取得に加え、工事に向けた各種手続きも段階的に進んでおり、今後は支柱設置などの本格的な建設工事へと移っていくことになります。
もちろん、資材価格や工事環境など不透明な要素はありますが、「計画」から「実行」へとフェーズが変わったことは確かです。
八高線接続で広がる多摩地域の可能性
alt="八高線209系" class="wp-image-8169"/>箱根ケ崎で接続するJR八高線は、埼玉・群馬方面とも結ばれる路線。
多摩モノレールが八高線とつながることで、南北移動だけでなく、広域的な人の流れが生まれることが期待されます。
多摩地域は道路交通に頼る部分が大きいエリアだけに、モノレール延伸による自動車依存の軽減や、沿線まちづくりの活性化にも注目が集まりそうです。
鉄道延伸は「未来への投資」
新線建設はどうしても時間もお金もかかります。
それでも、人口減少時代にあって「鉄道を残す・伸ばす」という判断がなされたことは、地域の将来を見据えた大きな決断と言えるでしょう。
2030年代半ば、上北台から北へと伸びるモノレールの姿を思い浮かべながら、今後の工事の進捗にも注目していきたいところです。
