Osaka Metro中期経営計画を発表 なんばを中心に御堂筋線・中央線の南北・東西軸で開発 ワンマン化・自動運転も推進

Osaka Metro御堂筋線 新大阪駅 2026年度事業計画

Osaka Metro Groupは2026年9月30日、「2026-2028年度 中期経営計画」を発表しました。

2026年度から2028年度までの3年間を、2035年に目指す姿に向けた「交通インフラの盤石化と改革」の期間と位置づけ、鉄道事業の安全・サービス向上に加えて、都市開発や最新技術の導入を進めます。

今回の計画では、御堂筋線を中心とする南北軸と、中央線を中心とする東西軸を重点的に開発する方針が示されています。

また、鉄道のワンマン化や自動運転についても具体的な計画が盛り込まれています。

Osaka Metro Group
2026-2028年度 中期経営計画

Osaka Metroホームページ

2035年に向けて「交通を核にした生活まちづくり企業」へ

Osaka Metro Groupは今回の計画で、交通を核にした「生活まちづくり企業」への変革を進めるとしています。

背景には、人口減少による移動需要の減少、人手不足、人件費の上昇、設備の老朽化などがあります。

大阪府では生産年齢人口が2025年から2035年までの10年間で10%減少すると見込まれており、Osaka Metroも将来的な乗車人員の減少や担い手不足を課題として挙げています。

そのため、単純に鉄道を運行するだけではなく、最新技術を活用して運行や保守を効率化しながら、駅や沿線の価値を高めていく方向です。

なんばを中心に御堂筋線・中央線を軸としたまちづくり

今回の計画で目立つのが、Osaka Metro沿線の都市開発です。

特に、

  • 御堂筋線を中心とする南北軸
  • 中央線を中心とする東西軸

の2つを重点的な軸として位置づけています。

南北軸では、本町~心斎橋~なんばを中心にまちづくりを進めます。

一方の東西軸では、森之宮と夢洲を結ぶ中央線沿線の開発を進めます。

南北軸と東西軸が交差する本町では、まちづくりに資する不動産の開発・取得や、地元企業・団体との連携によるエリアの活性化を進める計画です。

つまり、これまで大阪の中心部で大きな役割を果たしてきた御堂筋線沿線に加えて、万博を契機に注目度が高まった中央線沿線でも開発を進め、東西・南北の両方向から大阪の都市機能を高めていく構想です。

森之宮では新駅・駅ビルの開発を推進

東西軸の中でも特に注目されるのが森之宮です。

Osaka Metroは「森之宮開発」を同社初となる大規模再開発と位置づけています。

中央線の延伸による(仮称)森之宮新駅の整備を進め、新駅と駅ビル、駅前空間などを一体的に開発する計画です。

駅周辺には商業・宿泊などの複合的な機能を整備するほか、交通広場や空飛ぶクルマの離着陸場、大規模集客・交流施設なども計画されています。

また、夢洲については、万博跡地である「夢洲2期開発」への事業参画を検討するとしています。

鉄道では谷町線のワンマン化を2030年度に目指す

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大阪メトロ谷町線30000系

鉄道ファンとして気になるのが、鉄道の運行システムです。

今回の中期経営計画では、

「運転システムの高度化によるワンマン化を進めるとともに、将来の自動運転化に向けた取組みを着実に推進」

するとしています。

具体的には、2030年度の谷町線におけるワンマン化を目指し、車両や地上設備の改造などを計画的に進めます。

さらに中央線では、夢洲~大阪港間にGOA2.5を2028年度に導入する予定です。

GOA2.5は、列車の前頭部に動力車操縦者運転免許を持たない係員が乗務する自動化レベルです。

そして2027年度からは、将来的なGOA4導入に向けた検討・計画策定を開始するとしています。

GOA4は、係員の乗務が不要となる自動化レベルです。

以前発表されていた「2035年度までのGOA4」ともつながる

Osaka Metroの自動運転については、今年6月にも記事にしました。

このときは、長堀鶴見緑地線と千日前線について、2035年度までにGOA4の導入を検討していることを取り上げました。

今回の中期経営計画では、特定の路線について導入時期を決定したという段階ではありませんが、2027年度からGOA4導入の検討・計画策定を開始することが明記されています。

そのため、Osaka Metroの自動運転化は、単なる実証実験だけではなく、将来的な営業運転への移行を見据えて段階的に進められていることが分かります。

AIを使った運行・保守の効率化も

ワンマン化や自動運転だけではありません。

Osaka Metroでは、AIなどを使った鉄道の保守・運行業務の効率化も進めます。

例えば、運転士の乗務行路作成をAIによって自動化し、2027年度末までにニュートラムを除く全路線への導入を目指します。

保守面では、営業列車を使った軌道モニタリングを中央線で2026年度、谷町線で2028年度に開始する計画です。

さらに、御堂筋線では2028年度に保守用台車による電車線モニタリングを開始する予定です。

設備の状態を監視し、異常や劣化の兆候を把握して適切なタイミングでメンテナンスを行う「CBM化」も進めます。

人手不足への対応だけでなく、点検精度や安全性の向上にもつなげる考えです。

3年間で約1800億円を投資

今回の中期経営計画では、2026~2028年度の3年間で約1800億円の投資を計画しています。

老朽設備の更新や安全・サービス投資に加えて、森之宮をはじめとした大規模開発などにも投資します。

さらに、通常の投資計画とは別に、将来的な成長投資に対応するため1000億円の戦略投資枠を設定しています。

Osaka Metroは、2030年度以降に労働力不足や設備老朽化、乗車人員の減少など、さらに厳しい経営環境が予想されるとしています。

今回の3年間は、その先の2035年を見据えて、鉄道インフラの基盤を固める期間という位置づけになっています。

鉄道事業者が2026年度に発表した事業計画・経営計画については、こちらの記事でもまとめています。

鉄道会社から「交通を核としたまちづくり企業」へ

今回の中期経営計画を見ていると、Osaka Metroが目指している方向がかなりはっきりしてきます。

鉄道については、ワンマン化や自動運転、AIを活用した保守などによって効率化を進めます。

一方で、御堂筋線・中央線を軸とした都市開発や、森之宮・夢洲での大規模開発にも取り組みます。

さらに、路線バス、BRT、オンデマンドバス、タクシー、パーソナルモビリティなどを組み合わせた「モビリティ最適ミックス」も進める方針です。

地下鉄の運行だけを見ると「ワンマン化」「自動運転」という効率化の話に見えますが、その一方で駅や沿線の開発にも力を入れる。

Osaka Metroが掲げる「交通を核にした生活まちづくり企業」という方向性を、今回の中期経営計画はかなり具体的に示したものになっているのではないでしょうか。

今後は、2028年度に予定されている中央線のGOA2.5導入や、2027年度から始まるGOA4の検討がどのように進むのかにも注目したいところです。

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