地域鉄道を応援する手段として、すっかり定着した感のある「クラウドファンディング」。
車両保存やイベント列車、グッズ制作など、ファンの“想い”を直接届けられる仕組みとして、多くの鉄道会社が活用してきました。
しかしその一方で、集まった支援金が鉄道会社に届かないという、見過ごせない事態が続けて明らかになっています。
今回は、「北越急行」・「長良川鉄道」
この2社で起きているクラウドファンディング未入金問題をセットで取り上げます。
北越急行:応援は集まったのに、支援金が届かない
alt="ほくほく線HK-100系" class="wp-image-9219"/>新潟県でほくほく線を運行している第三セクター北越急行では、鉄道むすめ「松代うさぎ」をテーマにしたラッピング列車制作を目的にクラウドファンディングを実施。
全国の鉄道ファンから多くの共感を集め、400万円を超える支援金が集まりました。
ところが――
そのクラウドファンディングで集まった資金が、運営会社から北越急行へ入金されていないことが判明します。
決算資料では、
- 入金の見通しが立たない
- 未回収リスクが高い
と判断され、一部を貸倒引当金として処理するという、非常に重い対応が取られました。
それでも北越急行は、
クラウドファンディングそのものを否定するつもりはない
とコメントしており、支援者の気持ちを無駄にしない姿勢を崩していません。
長良川鉄道:こちらも同様に「未入金」が発覚
alt="長良川鉄道越美南線" class="wp-image-9220"/>そして2026年6月、同じような問題が
岐阜県の第三セクター鉄道の長良川鉄道でも明らかになりました。
長良川鉄道では、観光列車「ながら」関連のクラウドファンディングで、約240万円の支援金が集まりました。
しかしこちらも、クラウドファンディング運営会社から鉄道会社への入金が行われていない状態が続いています。
長良川鉄道は公式に、
- 支援者の善意を踏みにじる行為
- 極めて遺憾である
と強い表現でコメントし、法的措置も視野に入れて対応する姿勢を示しました。
「集まったのに届かない」という点で、北越急行と全く同じ構図です。
共通点は「鉄道会社に非はない」ということ
ここで強調しておきたいのは、
北越急行も長良川鉄道も、何か不正やミスをしたわけではないという点です。
- 正式なクラウドファンディングを実施
- 支援者からは実際に入金されている
- しかし、途中の運営会社で資金が滞っている
つまり、
- 支援者の善意は確かに存在している
- 鉄道会社はその善意を受け取れていない
という、誰も得をしない状況が生まれてしまっています。
「クラウドファンディング=安心」ではなくなった?
今回の2社の問題は、
「クラウドファンディングなら安全」
「大手でなくても大丈夫」
という、これまでの常識に警鐘を鳴らす出来事とも言えます。
特に地方鉄道の場合、
- 1件のクラファン金額が経営に与える影響が大きい
- 支援者との信頼関係が生命線
であるだけに、この問題は非常に深刻です。
それでも、地域鉄道を応援したい
正直に言えば、今回の件で
「もうクラウドファンディングは怖い」
と感じた方も多いと思います。
それでも、
北越急行も長良川鉄道も、
支援してくれた人たちへの感謝と責任を強く意識し続けています。
悪いのは“応援する仕組み”ではなく、
その途中を担う部分の信頼性なのかもしれません。
まとめ
支援とは、お金だけでなく「気持ち」です。
その気持ちが、鉄道会社にきちんと届く仕組みであってほしい。
今回の北越急行、長良川鉄道の問題が、
- より安全なクラウドファンディングの仕組み
- 支援者が安心して応援できる環境
を考えるきっかけになることを願わずにはいられません。
地域鉄道を守るのは、会社だけでも、ファンだけでもない。
「信頼できる仕組み」もまた、重要なインフラなのです。
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