JR北海道は2026年10月7日、2026年度第1四半期(4月~6月)の線区別収支と利用状況を発表しました。
今回の発表では、花咲線(釧路~根室間)の輸送密度が200人を下回ったほか、特急列車の全席指定席化が行われた函館線・岩見沢~旭川間でも、輸送密度が前年同期と比べて1割以上減少しています。
公式発表をもとに、北海道内の鉄道路線の利用状況を見ていきます。
JR北海道ホームページ
花咲線の輸送密度が200人を下回る
今回の発表で注目したいのが、花咲線の釧路~根室間です。
2026年度第1四半期の輸送密度は190人となり、前年同期の202人から12人減少しました。
輸送密度とは、旅客営業キロ1km当たりの1日平均旅客輸送人員を示す数字です。単純な乗車人数とは異なり、区間の長さも考慮して利用状況を比較できます。
JR北海道は、輸送密度が200人以上2,000人未満の線区を「黄線区」、200人未満の線区を「赤色」「茶色」の線区として区分しています。
今回、花咲線はこの200人という境界を下回りました。
なお、これは2026年度第1四半期、つまり4月から6月までの実績です。年間を通じた輸送密度が確定したわけではありませんが、花咲線の利用状況を考えるうえで気になる数字となりました。
花咲線については、2025年度の輸送密度が201人となったことや、東根室駅の廃止などを以前の記事で取り上げています。
特急が全席指定席となった岩見沢~旭川間では12.7%減少
もうひとつ注目したいのが、函館本線の岩見沢~旭川間です。
この区間の輸送密度は、前年同期の6,266人から5,473人へと減少しました。減少数は793人、減少率は約12.7%です。
同区間では、2026年春から特急列車の自由席が廃止され、全席指定席となりました。
自由席がなくなったことで、乗車前に座席を確保する必要が生じるなど、利用者にとっての乗車方法が変わっています。また、割引きっぷの見直しも行われています。
こうした変更が利用状況に影響した可能性がありますが、今回の数字だけで、全席指定席化が輸送密度の減少を引き起こしたと断定することはできません。
同区間では前年同期と比べて営業収益も減少しています。利用者数の変化だけでなく、収入や費用がどのように変化したのかも、今後の動向を見るうえで重要になりそうです。
利用が増加した区間も
一方、今回の発表では、すべての区間で利用者が減少したわけではありません。
例えば、釧網本線の東釧路~網走間では、輸送密度が前年同期の272人から315人へと増加しました。石北本線の上川~網走間も493人から537人へと増えています。
また、富良野線の富良野~旭川間では1,086人から1,126人へと増加しました。
釧網本線・富良野線では2026年度をもって「ノロッコ号」の運転が終了しますので記念乗車により増えた可能性もありますので今後の推移に注目したいところです。
JR北海道全体の輸送密度も、前年同期の4,635人から4,697人へと増加しています。
このように、同じ北海道内の路線でも利用状況には違いがあります。観光需要や地域の移動需要、運行状況など、さまざまな要素が関係していると考えられます。
花咲線の今後は協議の進展にも注目
花咲線の釧路~根室間は、2025年度の輸送密度が201人となり、2026年度第1四半期には190人まで減少しました。
一方、花咲線を含むJR北海道の黄線区については、10月9日に「黄線区の持続可能な運営の在り方に関する協議会」の初会合が開かれました。
今回は新たな協議の枠組みで関係者が顔を合わせた段階です。今後、花咲線の持続可能な運営に向けて、どのような方策が検討されていくのか注目されます。
10月中に予定されている線区別WGでどのような意見が出てくるのでしょうか。
今後も利用状況の変化に注目
今回の発表では、花咲線の輸送密度が200人を下回ったことに加え、函館線の岩見沢~旭川間で12.7%の減少が確認されました。
特に岩見沢~旭川間については、特急列車の全席指定席化や割引きっぷの見直しが行われた後の数字として、今後の推移も気になるところです。
一方で、釧網線や石北線など、利用が増加した区間もあります。
北海道の鉄道を考えるうえでは、路線全体の数字だけでなく、区間ごとの利用状況や収支の変化を確認していくことも大切ではないでしょうか。
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