JR四国、2026年度は「利便性向上」と利用促進がカギ鉄道サービスで収益を守る取り組みとは

観光列車「四国まんなか千年ものがたり」 2026年度事業計画

JR四国は、2025年度決算資料の中で、2026年度の重点実施項目を明らかにしました。
2026年度は「中期経営計画2030」の初年度にあたり、これまで進めてきた経営改革を土台に、鉄道事業の持続性確保と、非鉄道事業を含めた収益基盤の強化を同時に進めていく方針が示されています。

2025年度 期末決算について

JR四国ホームページ

2025年度決算のポイント|売上は過去最高水準に

まず、2025年度決算の概要を見ておきます。

連結営業収益は788億円と、前年度から大きく増加し、過去最高水準となりました。
営業損益は依然として赤字ではあるものの改善傾向が続いており、経常利益・純利益は黒字を確保。これで3期連続の最終黒字となっています。

背景として大きいのが、

  • 観光需要の回復
  • インバウンド需要の取り込み
  • 非鉄道事業(ホテル・物販・不動産など)の成長

といった点です。
特に非鉄道事業は、鉄道収入を補完する存在から、グループ全体の収益を支える柱へと存在感を高めつつあります。

JR四国は、国から2026年度~2030年度の5年間で1,025億円の支援を受ける予定となっています。そこで抜本的な経営改革が求められています。


2026年度の重点実施項目①|鉄道事業は「維持」と「効率化」が軸

2026年度の鉄道事業では、大きな拡大路線ではなく、持続可能性を重視した施策が中心となっています。

利用促進とサービス維持

  • 観光イベントや地域行事と連動した利用促進
  • 特急列車を中心としたサービス価値の維持・向上
  • 観光列車やキャンペーンを通じた需要喚起

利用者数の大幅増を前提とするのではなく、「今ある需要を確実に取り込む」姿勢が色濃く出ています。

鉄道事業については、別記事にしましたので詳しくはこちらをご覧ください。


2026年度の重点実施項目②|省力化・省人化を本格的に推進

今回の資料で特に強調されているのが、省力化・省人化です。

  • デジタル技術を活用した業務効率化
  • 駅業務や運行管理の省力化
  • 自動化機器やICT導入による生産性向上

人口減少や人手不足が避けられない中、安全性を確保しながら、いかに効率よく鉄道を維持するかが重要なテーマとなっています。

これは将来的に、

  • 駅の業務形態
  • 列車運行のあり方
  • 保守・点検体制

などにも影響してくる可能性があり、鉄道ファンとしても注目したいポイントです。


2026年度の重点実施項目③|非鉄道事業のさらなる強化

JR四国の経営戦略で欠かせないのが、非鉄道事業の拡大です。

主な方向性

  • ホテル・宿泊事業の強化
  • 飲食・物販の収益性向上
  • 不動産事業や地域開発への取り組み
  • M&Aを含めた事業ポートフォリオの拡充

鉄道単体では利益を出しにくい構造の中で、「鉄道+α」で収益を生み出すモデルをさらに磨いていく方針が明確になっています。

観光資源の多い四国において、鉄道と観光・地域ビジネスを組み合わせる戦略は、今後ますます重要になりそうです。


鉄道ブログ的視点|派手さはないが「現実的」な一歩

今回の重点実施項目は、新型車両投入や大規模な新線建設といった派手な話題はありません。
しかしその分、現実を直視した堅実な内容という印象を受けます。

  • 鉄道は無理に拡大しない
  • 省力化で安全とサービスを維持
  • 非鉄道事業で収益を支える

地方鉄道を取り巻く厳しい環境の中で、JR四国が「どう生き残ろうとしているのか」が、今回の資料からははっきりと読み取れます。


まとめ|2026年度はJR四国の次の10年を占う年に

2026年度は、中期経営計画2030のスタート年。
この1年で進められる施策は、今後のJR四国の姿を左右する重要な布石になりそうです。

鉄道ファンとしては、

  • 省力化が現場にどう反映されるのか
  • 鉄道サービスはどう変わっていくのか

今後の動きにも引き続き注目していきたいところです。


各鉄道事業者の2026年度の事業計画のまとめのページへのリンクです。

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